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ペット情報サイトCoo(クー) 編集部|投稿日 2020-07-30
昔と違い、猫を飼う場合は完全室内飼い、生後半年を過ぎたあたりから避妊・去勢するのが当たり前というようになっていますが、元野良ちゃんの場合や、多頭飼いをしている場合、思わぬ妊娠が発覚してしまうということもあります。そんなときに慌てないよう、雌猫の飼い主さんが知っておいてほしい「猫の妊娠」についてご説明します。
ネコの交尾がオスがメスを首筋に噛みつくところからスタートします。そのままメスに馬乗りになり、ペニスを挿入します。和図が1~2秒でメスが叫び声をあげると、オスは慌てて逃げだします。交尾直後のメスは攻撃的になからです。
メスはそのまま興奮状態になり、地面を転がったり陰部を舐めたりしてし、落ち着くまでに10分ほど掛かります。オスは少し離れたところから見ていて、メスが落ち着くとオスは再びメスに近づき、繰り返し交尾をします。
交尾によるオスのペニスの刺激で、メスは排卵します。ただし、1回の交尾で確実に排卵するとは限らないので、繰り返し交尾をします。交尾の後、排卵するまでの時間は26~27時間で、翌日には受精します。
人間の妊娠期間は約10カ月間ほどですが、猫は約2カ月間、平均して65日ほどです。飼い主さんが猫の妊娠に気づくのは、妊娠4〜6週目頃のお腹が大きくなってからというケースが多く、その時点ですでに妊娠してから30日ほど経過しています。猫は交配後に排卵するため、妊娠する確率は90%以上ともいわれています。もし、交尾を確認したときは、妊娠の兆候を見逃さないように愛猫の様子をしっかりと観察しましょう。
愛猫に妊娠の可能性がある場合は、必ず掛かりつけの動物病院を受診してください。動物病院では超音波検査や触診などを行い、胎児の心音を確認したり、レントゲンで頭数を確認することができます。
妊娠したネコは交尾後3週間ほどで、乳首が濃いピンク色に変わり、乳房が膨らみ始めます。また、この時期はい週間ほど食欲が落ちることがあります。
乳房やお腹が膨らんでいるのが、見た目で分かるようになります。
妊娠して40日ほどすると、ハッキリとした妊娠の兆候が表れてきます。
食欲が増加するとともに、体重も増えお腹も大きく膨らみます。体が重いせいか動作がゆったりし、中には攻撃的になるネコもいます。
胎動を感じはじめます。
いよいよ出産間近になり、猫はウロウロするなど落ち着かなくなります。出産に適した場所を探したり、巣づくりをするような行動をとるようになります。
乳首や陰部を気にして舐めたり、排泄をしなくなったり、急激に食欲が低下する猫も多いです。出産直前になると、母乳が漏れ出すこともあります。
人間の想像妊娠にあたるのが「偽妊娠」です。交尾によって排卵すると、妊娠に至らなくとも黄体ホルモンが分泌され、妊娠中と同じようなホルモンバランスになり、乳房が張ったり、妊娠しているかのような状態になることがあります。なかには母乳が出る猫もいます。
妊娠の兆候が見られたら、動物病院を受診して、検査をしてもらうのが確実です。レントゲン撮影検査では、胎児の数や生死、逆子か否かも確認できますが、母体や胎児に影響なく検査が可能になるのは交尾から40日後以降になるため、それ以前は超音波検査(エコー)や、触診や聴診での検査となります。
妊娠1か月を過ぎた頃には食欲が旺盛になるので、その前から少しずつ食事量を増やしてあげましょう。妊娠中の猫は栄養豊富な食事が必要となるため、今まで与えていたフードに栄養価の高いフードを足していき、できれば妊娠・産後のネコ用フードに切り替えてあげると、過度な体重増加の防止にもなり、フードの変化による消化不良も起こしづらくなります。
出産が近づいたら、「産箱」を用意して、家のどこかに出産場所を作らなければなりません。「産箱」は清潔であればダンボールなどでも大丈夫なので、母猫がある程度自由に動ける大きさのものを選び、ペットシーツやタオルなどを敷いておきましょう。
母猫のニオイのついた毛布などであれば、より安心します。
難産などの場合に備えて、掛かりつけの獣医師と連絡が取れるようにしておきましょう。念のため、夜間や休日にも対応している動物病院を調べておくと安心です。
新しい命を預かるということは責任が伴います。出産後、母猫と子猫が過ごす環境作りは勿論のこと、少し成長した子猫の里親を探すことなどは早め早めに準備をしておきましょう。