ペット情報サイトCoo(クー) 編集部|投稿日 2020-10-13
犬の目が白くなっているのを見かけたことはありませんか?実は犬も人間と同じように白内障になることがあります。主に加齢を原因として、白内障になる犬は珍しくはありません。
犬の白内障について、飼い主さんが知っておきたい症状や正しいケアにるいてご紹介します。
白内障とは、目の中の水晶体が変性して起こる病気で、水晶体の一部や全体が白く濁った状態のことをいいます。犬の白内障は先天的なものと後天的なものがありますが、コッカースパニエル、柴犬、トイプードルなどの犬種は、遺伝的な要因で白内障にかかる個体が多いと言われています。
後天的なものとしては、目の外傷や病気、加齢によっておこるものがあります。
白内障は、水晶体のタンパク質の代謝異常によって白く濁るといわれていますが、どのようにしてたんぱく質が変性して白く濁るのか、詳細な理由は分かっていません。
白内障なると、目が白く濁り光を感知しづらくなるため、ぶつかったり、つまずいたりするようになりますが、住み慣れたところでは家具の配置などを覚えているため、目が見えていないことに気が付かないこともあります。
初期の段階では暗い場所でだけ視覚障害が現れ、病気が進行するにつれて明るい場所でも症状が現れるようになってきます。
目が見えない不安から、壁伝いに歩くようになり、夜鳴きをしたり、時には攻撃的になることもあります。
犬の白内障は、先天的なものと後天的なものがありますが、先天的な白内障は遺伝的な要因が強いために予防することは難しいとされています。
後天的なものは、老化に伴うもの、外傷を原因とするものや、糖尿病やその他の病気に伴って発症するものがあります。
白内障とよく似た病気に核硬化症という病気があります。白内障と同じように水晶体が白くみえるのですが、核硬化症は瞳(水晶体)の中心から濁り、全体的にはは透明感があり、なんとなくブルーがかってきたときは核硬化症かもしれません。
核硬化症は老齢期の多くの犬に見られ、これ自体で視力を失うことはありませんが、素人目には白内障との見分けが難しいので、老化と共に瞳が白く見えるようになってきたら、掛かりつけの動物病院を受診するようにしましょう。
遺伝的に白内障になりやすい犬種があります。
トイ・プードル、コッカースパニエル、柴犬、チワワ、ボストンテリア、ミニチュア・シュナウザー、ビーグルなどが好発犬種といわれています。特にトイ・プードルは若年性白内障になりやすいとされているので、1歳を過ぎたら定期的に診察してもらうことをお勧めします。
白内障が進行すると、手術をしてもしていなくても、合併症のリスクが高くなります。最も多いのが「ぶどう膜炎」です。ぶどう膜炎になると強い痛みを伴いますが、犬は痛みを我慢する動物なので、飼い主さんが気付くころには大事に至るケースもあります。白内障になったら、愛犬の様子をそれまで以上に気を付けてみてあげましょう。
その他、緑内障や網膜剥離、水晶体脱臼などの合併症もあります。
何れにせよ犬は我慢をして痛みや不快感を表に出さないことも多いので、日頃からよく観察してみましょう。
犬は視覚よりも嗅覚や聴覚に頼って生活をしているため、少しくらい目が見えづらくても普通に歩けてしまいます。そのため、白内障に気付くのが遅くなり、症状が進行してしまい、様々な合併症を引き起こしてしまうことがあります。
そうなると、失明するだけではなく、眼球の摘出も避けられないことがあります。
白内障の治療法は、軽度の場合は点眼薬や内服薬を使用します。このような内科的な治療は、白内障の進行を遅らせることを目的に行われ、症状の改善にはつながりません。
重度の白内障の場合には、眼科の専門医によって、水晶体を取り除き、人口レンズを入れる手術が行われます。重度の合併症が出る前に手術を行えば視力の回復が望めますが、愛犬の年齢や症状、体調などを考慮して、掛かりつけの獣医師と相談しながら、治療計画を立てましょう。
白内障は原因が多岐にわたり、どんな犬でもどんな年齢でも発症する可能性がある病気です。出来るだけ初期の状態で気づいて治療を始めることが一番です。
発症してから短期間で失明にいたるケースもあるので、飼い主さんが愛犬の目の状態に異常がないかを日々チェックすることに加え、定期検診やワクチン接種などで動物病院を受診した際には、目もチェックしてもらうと良いでしょう。