柴犬は、日本原産の日本犬の一種で、1936年に国の天然記念物に指定されました。
縄文時代からいた日本古来の土着の犬で、狩猟もしくはそれに伴う諸作業に用いられてきました。実は柴犬は日本国内だけではなく、世界的に見ても最も古い歴史を持つ犬なのです。
現在では、日本ではもちろん世界中で人気の犬種となり、特にヨーロッパでは大変な人気があります。
天然記念物に指定された7種の日本犬の中で地域名が入っていないのは柴犬だけですが、柴犬は分布地域によって系統が分かれており、山陰柴、美濃柴、信州柴などがあります。
戦後、個性にばらつきのあった各地域の柴犬の標準をまとめることになり、現在、柴犬と呼ばれる殆どの犬は地域的な個性は失われています。
日本各地に存在していた土着の犬なので、蒸し暑い日本の夏にも比較的強い犬種といわれています。
利口で忍耐強く、飼い主や家族に対しては忠実で献身的に尽くす一方、賢く勇敢で警戒心も強いので、番犬にも最適といえます。獲物を追う猟犬として活躍してきた歴史から、独立心が高く、攻撃性も強めなこともあるため、初心者には飼育が難しい点もあるといわれています。
柴犬の仔犬の可愛さは格別ですが、甘やかして育てると成犬になって苦労するので、躾けはしっかりと行うようにしましょう。
体高より体長がやや長く、均整の取れたコンパクトな体型。
柴犬の特徴でクルリと巻いた尻尾は、右巻き・左巻き・差し尾などのバリエーションがあります。
柴犬は短毛の犬種ですが、被毛は硬くて直毛の上毛と柔らかな下毛があり、特に下毛は非常に抜けやすいのでブラッシングを日課としましょう。
柴犬の被毛のカラーは、赤、黒褐色、胡麻、黒胡麻、赤胡麻となります。赤、白、黒が混ざった毛色を胡麻色と呼び、柴犬の中では珍しい毛色です。
赤が多く混ざると赤胡麻、黒が多く混ざると黒胡麻と呼ばれます
柴犬と聞いてまず思い浮かぶのは毛色の赤い個体でしょう。キツネのように明るい茶色をしており、頬や目の周り、胸やお腹、しっぽの内側が白い個体が多く「裏白」と呼びますが、白の出方は個体によって違います。
黒柴は体の全体が黒い被毛をしており、頬や目の周辺、胸やお腹など体の内側が白や薄茶色をしています。黒と白(または薄茶色)のコントラストが強いので、目の上の斑点が目立ち、「四つ目」「麻呂」とも呼ばれます。
柴犬は健康で長生きをする個体も多いと言われていますが、比較的、皮膚疾患は多い犬種とされています。アトピー性皮膚炎やマラセチア、食物アレルギーやハウスダストアレルギーなどが原因となり、様々は皮膚病を発症します。
定期的なシャンプーと毎日のブラッシングで体を清潔に保つことが重要です。
犬に痒そうな素振りが見られたら、動物病院でキチンと検査をして原因を特定することで、アレルゲンの除去や投薬により悪化を防ぐことが出来ます。