シュナウザーとは、ドイツ語で「口髭」という意味で、仙人のような愛嬌たっぷりの眉毛と、その名のとおりの長い口髭が特徴です。
シュナウザーには、ジャイアント・スタンダートそしてミニチュアの3犬種がありますが、全ての元になったのはスタンダート・シュナウザーで、スタンダード・シュナウザーにアーフェン・ピンシャー等を交配して小型化をしたのがミニチュア・シュナウザーとされています。
古くからドイツにいたスタンダード・シュナウザーを改良して、19世紀末にフランクフルトで作出されたミニチュア・シュナウザーですが、その後アメリカにわたり、更に改良が進み現在のミニチュア・シュナウザーとして確立しました。その為か、原産国であるドイツよりもアメリカで大人気となり、多くの著名人にも愛された犬種として知られています。
日本には戦後の昭和30年代にアメリカから入ってきたとされていますが、2000年頃から人気が上昇し、テリア・グループの中では最も人気が高く、現在では毎年のようにJKCの登録犬種ランキングの上位に入っています。(2018年度は6位)
かつては農場でネズミ駆除などの使役犬として活躍していたこともあり、小柄ながらガッシリと筋肉質でタフな犬です。
外見的な特徴等はスタンダード・シュナウザーに似ていますが、性格的には小型犬としての特徴を備えています。
賢く遊び好きで友好的。警戒心が強いために無駄吠えをする子もいますが、飼い主(リーダー)にはよく従う犬なので、仔犬の頃からリーダーを明確にした訓練をすると良いでしょう。
体高は雄雌共に30~35cm、体重は約4kg~8kg程度。
ミニチュア・シュナウザーは、硬い毛質のトップコートと密に生えている柔らかい毛質のアンダーコートの二層になっている、いわゆるダブルコートの被毛を持っ犬種です。
ダブルコートの犬なので週に数回のブラッシングが必要ですが、実はミニチュア・シュナウザーのアンダーコートは一般的な換毛期にも抜けにくくなっています。その為、本来抜けるはずの毛を人の手で抜く「ストリッピング」を行うことがあります。
ストリッピングを行うことで、皮膚への通気性は良くなり、トップコートも本来の毛質と鮮やかな経路が保たれるため、ドッグショーに出る場合は必須となっているようです。
しかし、生えている毛を抜くわけですから、犬の体質やトリマーの技術によっては負担になってしまいます。そうしたことから、ストリッピングに対して抵抗感を感じる飼い主さんも多く、現在はバリカンで毛を刈る「クリッピング」を行うことが多いです。
ジャパンケンネルクラブ(JKC)でのミニチュア・シュナウザーのスタンダードは、以下のカラーとなっています。
★ブラックのアンダーコートに漆黒のトップコート
★ソルト&ペッパー
★ブラック&シルバー
★アンダーコートもトップコートの白のホワイトのソリッド
純血種としては健康的な犬種といえますが、ミニチュア・シュナウザーは若いうちに発症してしまう若年性白内障や網膜萎縮症といった眼病に掛かりやすいと言われています。
また、ストルバイト結石やシュウ酸カルシウムにより尿結石もできやすいので、トイレの回数が多いのにあまり出ないとか、その逆で頻尿。その他、血尿やオシッコをするときに痛みで鳴くようなことがあったら、すぐに動物病院を受診するようにしましょう。