他の犬種にはない、大きく美しい立ち耳が印象的なパピヨンは、マリー・アントワネットやポンパドール夫人に愛された犬として有名です。
パピヨンはスペインの小型のスパニエル系が祖先犬と考えられています。
初期のパピヨンはスクウィール・ドッグ(リス犬)とも呼ばれ、リスのように華やかな巻尾が注目され垂れ耳が主流でしたが、スピッツやチワワと交配して現在の立ち耳を作出し、パピヨン(フランス語で蝶の意)と呼ばれる様になりました。
現在、垂れ耳の個体はファレーヌ(フランス語で蛾の意)と呼ばれている。
パピヨンは明るく活発で遊び好きな性格ながら、人が好きで穏やかな面もある、愛玩犬らしい気質です。
状況や家族の雰囲気を察したり、賢く振る舞ったりしますが、行き過ぎてしまうと神経質になる子もいるようです。
愛玩犬ですので、人に甘えるのも大好きです。
しかし、賢く甘えん坊なだけに、周囲の状況に敏感に反応しすぎてしまい、神経質になってしまうことがあります。
特に若いうちは甘やかしすぎず、きちんとしつけをしましょう。
ドッグスポーツや訓練などを飼い主が一緒に取り組んで、いろいろな経験をさせ、自信を持たせることで落ち着いた犬になります。
パピヨンは長いコートに覆われた毛質ですので、週に2~3回くらいはブラッシングをしてあげましょう。
なお、パピヨンは、長毛のみのシングルコートと、密生した下毛のあるダブルコートの2種類のタイプがあります。
初期のパピヨンはシングルコートだったようですが、交配の過程でスピッツの血が入ることにより、アンダーコートを持つようになったと言われています。
犬種標準ではシングルコートと規定されている国もありますが、北欧など寒冷地では、ふかふかした下毛のあるほうが生活に都合が良いため、ダブルコートのパピヨンは必ずしも規格外ではありません。