ロシアンブルーは、ロシア北西部のアルハンゲリスクで自然発生した猫だと考えられています。
18世紀中ごろから、ヨーロッパではキャットショーなどでも人気を博していましたが、第二次世界大戦中には他の描種や純血種の犬同様に、絶滅の危機に瀕しました。
戦後、イギリスなどで、毛色の近いブリティッシュ・ショートヘアや体型や頭部の形の近いシャムと交配を行い、かつてのロシアンブルーの姿を取り戻すことが出来ました。
北極圏近くの極寒の地で生まれた猫なので、とても分厚い被毛となっています。
非常に密なダブルコートになっており、毛質は細く絹糸のように滑らかで繊細。
アンダーコートは地肌が水に濡れないほど密生しているため、寒さにはとても強いです。
被毛のカラーはブルー(猫の場合、グレーの被毛をブルーと呼ぶ)で淡色。
目の色はエメラルドグリーン。この特徴的な目の色が有名ですが、子猫の頃は他の描種同様に、グレーがかったブルー(キトンブルー)をしており、成長と共に目の色が変わっていきます。
ボディーは中型のフォーリンタイプで、ほっそりとした印象ながらも上品な骨格としなやかな筋肉を持っています。
大きめで先の尖った耳が少し離れてついており、小さな顔に口元は口角が少し上がっているように見えるため、「ロシアンスマイル」とも呼ばれます。
優しくて従順な猫ですが、警戒心が強くシャイなところもあります。
しかし、飼い主にはとても甘えん坊で、犬のような猫といわれることもあるようです。
飼い主に対してはとても忠実で、犬のような性格をしていると言われることも多いロシアンブルーですが、プライドが高く人見知りで神経質な面があるので、慣れるのには多少時間が掛かるようです。
独立心や警戒心も高くネコらしいネコともいえますが、信頼関係ができた相手には優しく、献身的に愛情を注ぐところも人気の理由かもしれません。
また、あまり鳴かない猫として知られており、ボイスレス・キャットという別名もあるほど静かなので、一人暮らしの方や共働きで日中留守にすることが多いお宅でも飼い易いネコといえるでしょう。
ロシアンブルーは短毛ですが、高密度のダブルコートをしています。毛色はブルーの単色のみで、ブルーの毛色を持つ描種の中でも最も光沢のあるシルバーに近いブルーの色をしており、その被毛はビロードのように美しく滑らかな手触りをしています。
ダブルコートなので換毛期には抜け毛が多くなるため、定期的なブラッシングは欠かせません。
他の描種同様に、尿路結石症や腎臓病などはシニア期になると掛かりやすいとされていますが、純血種としては遺伝性疾患のとても少ない健康的なネコといわれています。
人見知りでシャイな性格なネコが多いので、見知らぬ人にかまわれたり、騒がしい環境だとストレスから体調を崩すことがあります。ネコの性格を見極めて、必要であれば来客時などは他の部屋に隠れられるようにする工夫をしてあげると良いでしょう。