現在のペルシャは、ペルシャ帝国(現在のアフガニスタン辺り)から、18世紀ごろにヨーロッパへ連れてこられたネコが起源であるとされていますが、諸説あり詳しいことは分かっていません。しかし、イギリスにわたり改良され、1871年にイギリスで開催された世界初のキャットショーに出陳されており、19世紀の終わりごろにはアメリカへわたって人気を博し、多くの猫の交配にも使われています。純血種としての歴史は長く、ネコ界の王様として君臨しています。
安定した人気を誇っているペルシャですが、議論を重ねつつ改良が重ねられ、20世紀以降はより鼻の短い顔立ちへとなっていきました。
大きく少し離れてついた丸い目と、つんと上向きでつぶれた鼻が愛嬌のあるペルシャですが、なんといってもフワフワでゴージャスな長毛の被毛は、柔らかく極上の触り心地です。
大きくて丸い頭部に太く長い尾、四肢は太く短めで、しっかりとした筋肉を持つコビータイプの猫です。
鼻の高さによって、より鼻の潰れたエクストリームタイプとトラディショナルタイプの顔がありますが、極端に鼻を短くすることで鼻腔狭窄など健康上の問題を抱えることがあるため、一般的にはトラディショナルタイプが人気のようです。
体重は3kgから5.5kgが標準とされています。
見た目の雰囲気だけではなく、性格も物静かで大人しいネコで、激しい遊びや騒がしいのが苦手です。足が短いこともあり、高いところに上ったり、大きな声で鳴くこともあまりなく、発情期でさえ静かだと言われています。
ペルシャはノンビリと穏やかに過ごすことが好きで、自分から遊びねだることも少なく、静かに座ったり寝たりしていることが殆どです。
ペルシャの被毛は、長毛種の中でも特に被毛が厚く密集しており、トップコートもアンダーコートも細く柔らかいため、自分でキチンと毛づくろいをすることが難しく、人間の手で毎日ブラッシングやコーミングなどのお手入れをしてあげる必要があります。
放置をするとあっという間に毛玉になり、皮膚疾患の原因にもなりますし、余計な毛を取り除いてあげないと、毛づくろいの際に飲み込んだ毛がもとで毛玉症になる恐れもあります。
ペルシャはポインテッド以外、すべての被毛のパターンやカラーが認められています。
中でも、純白のペルシャや、毛先のに色の入ったチンチラシルバーやチンチラゴールデンが特に人気となっています。
ペルシャの寿命は比較的長く、15年から中には20年以上も生きる個体もいると言われていますが、「多発性のう胞腎」という遺伝性疾患や「シュウ酸カルシウム結石」という尿路疾患に掛かりやすいとされています。
多発性のう胞腎は先天的な遺伝性のもので、両親のいずれかが発症していると約50%の確率で発症する怖い病気です。腎機能が低下し、最終的には慢性腎不全を起こし、死に至ることもあります。有効な治療法はありませんが、腎不全の進行を遅らせることは出来るので、日頃から水を飲む量やオシッコの色や量には注意をして、異変を感じたらすぐにかかりつけの動物病院を受診してください。
その他、ペルシャの特徴であるつぶれた鼻(短頭)のため、下まぶたが眼球の方に反り返る(内反)を起こし、被毛が角膜を傷つけることで炎症を引き起こし、違和感を取り除こうとネコが目を擦って更に悪化して潰瘍となってしまう「眼瞼内反症」や、鼻涙管が圧迫されて涙が出やすいために「流涙症」になどの眼病にも掛かりやすいと言われています。
皮膚疾患予防のためにも、毎日のブラッシングを欠かさず、涙や目やに柔らかい布でこまめに拭き取るなど、日頃から気を付けてあげましょう。