ノルウェージャン・フォレスト・キャットは、ノルウェー、スカンジナビア半島原産のネコで、ノルウェーでは「森の猫」としてよく知られ、非常に寒冷な地域にも適応するダブルコートの被毛を持つ長毛種のネコです。
バイキングの伝説や北欧神話にも登場しますが、バイキングと共に大海原を旅したとされ、その船や村を害獣から守っていたそうです。
古くからノルウェーで親しまれてきた猫でしたが、普通の飼い猫としての認識に過ぎませんでした。
人と暮らすようになると他の猫種との交雑の機会も増え、種の特徴を保持することが難しくなってしまいました。
その為、ノルウェーでは国を代表するネコとして、国を挙げての保護計画が進められるようになったのです。
しかし、1930年代にはじまった第二次世界大戦のために計画は頓挫しそうになりましたが、1970年代に入り保護計画が再度スタートし、当時のノルウェー国王であったオーラヴ5世より「ノルウェーの国のネコ」としての称号を受けます。
一見するとメインクーンやサイベリアンと似ていますが、ノルウェージャン・フォレスト・キャットは頭部が正三角形で長めで真っ直ぐな鼻筋にアーモンド形で少しつり気味の目が聡明な印象を与えます。
実際にとても知的で穏やかで忍耐強く、運動神経も抜群です。典型的なロング&サブスタンシャルの描種で、成猫のオスは4.5~7.0kg程度、メスは3.5~5.5kg程度。過酷な環境で生き抜くこともできるように、体は大きく骨格も筋肉もがっしりと逞しいネコです。
寒さから身を守るために、被毛は厚く長く密に生え、基本的には水を通しません。雪原を歩くために足の指の間にはタフト(ふさふさと束になった毛)が生え、耳や首や長め尾長めの被毛で覆われています。
ノルウェージャン・フォレスト・キャットは、外見の似ているアメリカ原産のメインクーンやシベリア原産のサイベリアンと同じように、とても賢く穏やかで、その反面、とても活発なネコです。
長毛でゴージャスな印象のノルウェージャン・フォレスト・キャットですが、ノルウェーの厳しい寒さの中でも逞しく生きてきたネコなので、屋外で木に登ったり遊んだりすることも大好きです。
ノルウェージャン・フォレスト・キャットはダブルコートの長毛種です。極寒の地を生き抜くため、フワフワと綿毛のようなアンダーコートは非常に厚く、長めのトップコートとの二層になっています。その為、毎日のブラッシングは欠かせません。
また、雪の中を歩くこともできるように被毛は油分を含んでいるため、月に1度はシャンプーをして皮脂も清潔に保つようにしましょう。
単色は黒・白・ブルー、タビーはブラウン、ブルー、レッド、クリーム、クラッシック・タビーやマッカレル・タビー、キャリコ、トーティーシェルなど多種多様な模様が公認されていますが、ポインテッド、セピア、ミンクは認められていません。
ノルウェージャン・フォレスト・キャットは、純血種のわりには遺伝性疾患の少ない健康的な描種とされています。しかし、太りやすいためか糖尿病の発症率が他の描種よりもかなり高いと言われていますので、おやつやフードを与えすぎないように注意しましょう。