純血種のネコとしては、ずいぶん長い間、日本でも人気の高いアメリカンショートヘアのルーツは、ヨーロッパからメイフラワー号に乗ってアメリカ大陸にやってきたブリティッシュショートヘアだとされています。ペットとしてではなく、船の中や農場などで、穀物を荒らすネズミ退治のために求められていたのです。
農業の大規模化により、穀物管理が自動化されるようになると、ハンターとしての役割を終えました。
アメリカンショートヘアといえば、まず特徴的な美しいクラシックタビーの縞模様でしょう。様々なカラーパターンがありますが、アメリカンショートヘアと聞いてまず思い浮かべるのは、シルバーの地色に縞模様の入ったシルバークラシックタビーではないでしょうか。
アメリカンショートヘアは中型のセミコビータイプで、幅広くややスクエアな丸顔で、ボディはがっしりとした筋肉質です。大きな目はアーモンド型で、短毛ですが厚い被毛に覆われています。
かつては航海中の船内で、食料をネズミから守るという役割を担ってきた猫なので、運動能力が高く活発で遊び好き。陽気で賢く、好奇心いっぱいの猫です。
人懐っこく、犬など他の種のペットとも仲良く暮らすことができますし、飼い主には従順なので躾けもしやすく、初心者にも飼いやすい猫といえます。
アメリカンショートヘアは、その名の通り短毛のネコです。短いながらも、アンダーコートとオーバーコートを持つダブルコートで、特にアンダーコートは密集して生えています。
ダブルコートを持つ猫の特徴として、春と秋の換毛期には沢山の被毛が抜けます。
アメリカンショートヘアの被毛カラーといえば、日本ではシルバー地に黒の特徴的な縞模様が美しいシルバークラシックタビーですが、ブラック、ホワイト、クリーム、ブルー、レッド、ブラウンなどのクラシックタビーや、クラシックタビー以外のパターンもマッカレルタビーやシックドタビーなどがあります。また、縞模様のない単色やバイカラー(二色)など、バリエーションが豊富です。
アメリカンショートヘアは好奇心旺盛で人懐っこく、また大変賢いネコとしても知られていますが、先祖猫のブリティッシュショートヘアの性格を受け継ぎ、家族以外にはやや慎重で警戒心が強く、抱っこが苦手な個体も多いようです。
しかし、基本的な性格が明るくフレンドリーなため、飼い主さんや同居のペットとは良い関係を築くことが多く、躾も入りやすいため、初心者にも飼い易いネコといわれています。
アメリカンショートヘアはとても活発で遊び好きなネコなので、ケージなど狭い空間で飼うことはおススメできません。キャットタワーなど上下運動が出来るものを設置して、室内でも十分に遊べるスペースを用意してあげましょう。
人間と遊ぶことも好きなので、1日1回は猫じゃらしやボールなどのおもちゃで遊んであげると良いですね。
被毛はアンダーコートの密集したダブルコートですが、短毛種で毛玉等は出来づらいので手入れは楽です。しかし、換毛期もあり抜け毛も多いので、スキンシップも兼ねて少なくとも週に2回はブラッシングをしてください。
アメリカンショートヘアとして確立されるまでの間に、様々な描種と交配されてきたため、遺伝性疾患の少ない丈夫なネコといわれています。
食欲旺盛なので肥満には気を付けましょう。肥満だけが原因ではありませんが、糖尿病、関節炎や椎間板ヘルニアなど、様々な病気のリスクがあります。
その他、「肥大型心筋症」「多発性嚢胞腎」「ワクチン誘発性繊維肉腫」などが、アメリカンショートヘアの比較的掛かりやすいとされています。
病気が進行するまで気が付かないことも多い病気ですが、普段の様子と違う、おかしいなと感じることがあったら、かかりつけの動物病院に相談しましょう。