猫の飼い主さんにとって、悩ましい猫の行動として、甘噛みがあります。本気でガブリと噛むのとは違うので、許してあげたくなる飼い主さんも多いとは思いますが、猫のしたいままに甘噛みをさせていると、エスカレートして「噛み癖」になりかねません。そうなる前に、早めに対処をしましょう。
 

猫が甘噛みする理由　

猫が甘噛みをする理由として、考えられることはいくつかあります。
 

愛情表現

猫の親子や兄弟間でもよく見られますが、愛情表現としての甘噛みはよく見られます。飼い主さんに甘えながら、母猫に接するように甘噛みをすることがあります。
遊んで欲しい時や撫でてほしい時、お腹が空いたときなどにも甘噛みをして、飼い主さんに甘えながら要求しているのです。愛猫を撫でている時、飼い主さんの手や指をちょっと噛んだりするのは、母猫に甘えるような気持からくる行動で愛情表現です。
また、遊んで欲しいのに遊んでもらえなくて、ストレスが溜まっている可能性もあります。そんなときは、遊ぶ時間を増やしたり、甘えさせてあげることで甘噛みの回数が減ることもあります。
 

狩猟本能

猫はもともと肉食の捕食動物なので、狩猟本能による捕食行動から甘噛みをすることがあります。
例えば、ベッドに横になっている時など、動いている足に飛びついて甘噛みをしてきたり、飼い主さんの手を使ってじゃれて遊んでいると急に噛まれたり。そんなときは、狩猟本能からくる行動です。
ネコは狩猟本能が色濃く残っている動物なので、飼い主さんの手や足にじゃれつかせて遊んでいると、狩猟本能が刺激されて甘噛みをしてしまうことがあります。
手や足を使って遊んでいると、そのまま噛み癖が付いてしまう可能性があります。猫じゃらしなどの玩具を使った遊びに切り替えて、有り余るエネルギーを発散させてあげましょう。

歯が痒い

子猫は生後2週間ほどで歯が生え始め、3か月から6か月ごろに乳歯から永久歯へと生え変わります。成長するにつれ、乳歯が抜け、代わり永久歯が生えてきますが、この時期は歯がむずむずと痒くなるので、何かを噛みたくて仕方がなく甘噛みすることがあります。
子猫の成長期にはよくあることですが、飼い主さんの手や足を噛ませるのではなく、噛んでも良いおもちゃを与えて噛み癖を付けないようにしましょう。
 

猫の甘噛みの対処法

猫が甘噛みする理由はさまざまです。愛情表現や甘え、じゃれついて遊んでいる行為がエスカレートして問題行動とならないように、飼い主さんは一貫した態度で愛猫に躾をしましょう。
 

噛んも良いオモチャを与える

生後3か月から6か月頃までの歯の生え変わり時期は、歯がむずむずと痒くて気になり、何かを噛まずにはいられなくなります。飼い主さんの手足を噛ませず、噛んでも良いオモチャを与えて代わりに噛ませるようにしましょう。
 

甘噛みされても手を引かない

手に甘噛みをされると、子猫といえども多少は痛いものですが、手を引かずに口に押し込む方法です。甘噛みをされたときに手を引くと、猫にとっては「獲物に逃げられる」という感覚で逆に興奮する可能性があるからです。力加減を間違えると、思い切り噛まれたりネコが怪我をする可能性もあるので、注意が必要です。
 

大きな声を出す

猫の親子や兄弟間では、じゃれ合いながら力加減を学んでいきます。母猫は子猫の噛みつきが強いとき、あえて大きな叫び声を上げたり、強く噛み返すことがあります。
飼い猫の場合も、同じように「痛いっ！」と声をあげることで、噛みつきが強いことを愛猫に教えましょう。
 

多頭飼いをする

子猫は母猫や兄弟猫と過ごすことで、甘噛みやじゃれ合いの力加減を覚え、社会化していきます。飼い猫の場合も同様で、一匹で飼うよりは他の猫とじゃれ合い遊ぶことで社会化し、ストレス発散にも繋がります。
とはいえ、遊びがヒートアップして大喧嘩に繋がる場合もあるので、飼い主さんは注意して見てあげましょう。

沢山遊んであげる

遊びの時間が足りないと、エネルギーが有り余って甘噛みが酷くなるケースがあります。本来、捕食動物である猫にとっては、狩りをすることは本能です。猫じゃらしなどの狩猟本能を刺激される玩具を使って遊んであげることで、ストレス発散にもなりますし、1日1回は時間を作って思い切り遊ばせてあげましょう。
 

最後に

子猫の頃の甘噛みは可愛いものですが、それが問題行動にエスカレートしないように、飼い主さんがコントロールをしてあげる必要があります。上に書いたように、甘噛みの理由も様々です。
猫の気持ちや行動を理解したうえで、より良い関係を築くことが出来るようにしたいものですね。