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ペット情報サイトCoo(クー) 編集部|投稿日 2020-04-15
一般的に猫は警戒心が強い生き物だといわれていますが、野良ちゃんでも人懐っこくて触らせてくれる子もいれば、飼い主さんに触られるのもあまり好きではないという子もいます。
抱っこも同様で、甘えん坊で自分から膝に乗ってくる子もいれば、抱き上げるとスルッと飼い主さんを手を抜けて逃げていく子もいます。
なぜ、猫は抱っこを嫌がるのでしょうか?いくつかの考えられる理由があります。
猫も人間と同じように、過去の嫌な経験を引きずることがあります。以前、抱っこされて病院へ連れていかれた。お風呂に入れられた。など、抱っこをされたときに関連して嫌な経験や怖い思いをした記憶があると、抱っこを嫌がるようになってしまうことが多いようです。
その記憶が、生後2か月くらいまでの、猫にとっての社会化期であれば尚のこと、そのまま抱っこ嫌いな猫になってしまう可能性が高くなります。
猫が抱っこを嫌がる理由の一つに、抱かれたときに身体が不安定な状態になることが原因の場合もあります。
いつもは抱っこを嫌がらない猫でも、猫を抱っこすることに不慣れな人に抱かれて体勢が安定しないときはやはり嫌がります。わきの下に手を入れて抱き上げ、猫のお尻が宙に浮いたような状態は最も嫌がる抱き方です。また、神経質な猫の場合、周りの音や気配に敏感になるので、猫を抱っこするときは、猫にとって居心地が悪くないか、不安な気持ちにならないかなど、猫の目線に立ってあげることが大切です。
甘えん坊で自分からすり寄ってきたかと思うと、名前を呼んでも無視したり、触ろうとするとスルッと抜けてどこかへ行ってしまうこともあるような気まぐれな性格の猫ちゃんも多いので、自分から飼い主さんの膝の上に載ってくることもあれば、抱き上げようとしても嫌がることもあります。
遊びに夢中なとき、ぐっすりと眠っているときに抱っこをしようとしても、邪魔をされたくないと思って逃げてしまうこともあるでしょう。人間がそうであるように、猫も常に同じ心理状態ではいられません。気分のいい時もあれば悪い時もあります。猫が甘えたそうにしているタイミングであれば、気分良く抱っこをさせてくれるかもしれません。
もっとも猫に嫌がられるのは、強引に抱っこをすることです。猫の気持ちを理解せずに強引に抱っこをすると、嫌なことを強要されたと感じ、それ以降、抱っこを拒否するようになるかもしれませんし、猫との関係も悪くなってしまいます。
また、今までは嫌がることなく抱っこをさせてくれたのに、急に嫌がるようになった場合、体のどこかに痛い場所があったり、体調が悪い可能性もあります。いつもと様子が違う時は、かかりつけの獣医さんに相談してみましょう。
猫は犬ほど嗅覚が優れているわけではありませんが、人間に比べるとかなりニオイに敏感です。特にタバコや香水といった人工的なニオイは勿論、柑橘系やコーヒーなどの自然な香りであっても、猫にとっては嫌なニオイと感じる場合も多いのです。
例えば、大好きな飼い主さんでさえ、ミカンを食べた手のままで猫を抱こうすると逃げ出してしまうのは、柑橘系のニオイが苦手だからです。
猫を抱きあげようとすると、逃げるだけでなく噛みつく猫がいます。ペットとして飼われているネコの場合、その殆どは手にじゃれついているだけなので、力加減せずに本気で噛んでいるわけではないのですが、甘噛みであっても猫の歯で噛まれると結構痛いものですし、何よりも手で遊ぶことが習慣化してしまうと、そのまま手に噛みつくことも習慣化されてしまうので、遊ぶときはおもちゃを使いましょう。
抱っこされるのが好きな猫もいれば、抱っこが苦手な猫もいます。猫の性格やその時の気分によっても変わってくるので、無理に抱っこをしようとはせず、猫の気持ちを優先してあげるようにしましょう。
猫を抱っこすることは、単なるスキンシップ以上に猫の身体の異変にいち早く気付くことが出来る方法でもあるので、猫が抱っこを嫌がる気持ちを理解し、愛猫との信頼関係を損ねることなく、時間を掛けて抱っこに慣れてもらえるようにしましょう。