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ペット情報サイトCoo(クー) 編集部|投稿日 2019-06-08
一昨年、ペットの犬から、マダニが媒介する感染症SFTF(重症熱性血小板減少症候群)に感染した男性がいたと発表されました。幸い、この男性は回復したそうですが、過去には感染したネコに噛まれた女性が、死亡したこともある怖い病気です。
他にも様々な病気を運んでくる厄介な生き物なので、人間の生活圏にマダニを寄せ付けないこと、そしてマダニから愛犬(ネコもですね)を守ることが重要です。
マダニとは、寝具や衣類に付くヒョウダニや食品に付くコナダニなど、家庭内に生息するダニとは種類が異なります。
昆虫の足は6本ですが、マダニは8本足のクモやサソリに近い生き物です。マダニの唯一の栄養源は動物の血液です。
草むらの葉っぱの裏などに潜み、通りかかった犬や猫の身体に飛び乗って血を吸います。
マダニは硬い外皮に覆われ、吸血前は3~4mm(大型のフタトゲチマダニの場合)の大きさですが、吸血後は8~10倍ほどの小豆大にまでなります。1~2㎜ほどの小型のマダニの場合、吸血後に100倍ほどの大きさになることもあるそうなので、肉眼ではっきりと見ることが出来ます。
季節を問わず、環境条件に適したマダニが日本全国各地に生息しています。
山間部のハイキングコースをはじめ、緑の多い公園や湿気の多い河川敷の草むらなどに潜み、寄生する動物が来るのをじっと待っています。
感染のピークは梅雨時から秋にかけてですが、気温が13度過ぎると活動することが知られているので、近ごろでは春先から12月ごろまでの活動が確認されています。また、暖房設備が整っているため、まれに真冬でもマダニの感染があるようです。
何よりも、マダニの生息場所に近寄らないことが一番の予防になりますが、犬を飼っていると毎日の散歩は欠かせませんし、犬は公園や原っぱなどの草むらに入るのが大好きですよね。
ですので、お散歩の後は愛犬の身体をチェックして、飼い主さんも洋服などにマダニがついていないか確認してから家に入るようにしましょう。垂れ耳のワンちゃんは、特に耳の内側にマダニが付くことが多いので、必ず気を付けてみてあげてください。
犬の身体は被毛に覆われていているために、マダニがついても直ぐには血を吸うことが出来ません。特にダブルコートなど被毛の厚い犬種だとそれだけ時間が掛かかるため、ブラッシングをすることもマダニ予防には効果的といえるでしょう。
もう一つ、効果のある対策といえば、やはり予防薬を使うことです。内服薬や首の後ろに滴下するお薬などあります。何れも動物病院で処方してもらえますので、かかりつけの獣医さんに相談してください。
マダニは吸血すると丸く大きくなるので、見つけることはそう難しくはないと思います。そんなときは、慌てて剥がしたり潰したりせずに、出来るだけ動物病院で除去してもらうようにしてください。無理に引きはがしたりすると、マダニの口だけが残ってしまったり、潰れて体液が出てしまうと感染症の恐れもあります。
もし、マダニが毛の中にいて食いついていない状態なら、マダニを潰さないように、慎重にピンセットでつまんでビニール袋に入れて処分しましょう。皮膚から離れて被毛の表面にいたら、粘着テープでくっつけて捕獲しましょう。