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ペット情報サイトCoo(クー) 編集部|投稿日 2019-02-10
人間も何倍もの聴覚を持つ犬の耳。
犬種によって、小さな耳・大きな耳・立ち耳・垂れ耳などがあり、耳の動きからは犬の気持ちを感じ取ることもできますよね。
そんな犬の耳ですが、案外病気にかかりやすいのです。
犬の耳の病気を知るうえで、理解しておきたいのが耳の構造です。
犬の耳は、人間とは少し違う作りになっているのです。
耳は、耳介・外耳道・鼓膜・中耳・内耳から構成されてます。耳介は人間の耳たぶにあたり、音を集める働きをしています。
その下の方に耳の穴があり、その奥に外耳道と呼ばれる細長い道があります。
人間の外耳道は鼓膜までほぼ真っすぐですが、犬の外耳道は真っ直ぐではなくL字型の構造になっています。
犬の耳が臭いときに多くみられるのは、外耳炎という病気です。
外耳炎とは、耳の入り口から鼓膜までの外耳道に炎症が起きる病気です。
かゆみがあるため、後ろ足で耳をかくしぐさが見られたり、耳が赤く腫れ、耳垢が増えたり臭ったりという症状があります。
ひどい場合は膿が出ることもあり、放置して悪化させると、炎症が内耳や中耳にまで広がり手術が必要になることもあるので、何よりも早期発見・早期治療が大切になります。
外耳炎はいろいろな要因が考えられます。
外耳炎の主な原因として、細菌感染やマラセチアというカビ感染、あるいは両方の感染です。
細菌(ブドウ球菌)もマラセチアも耳の中の常在菌ですが、増えすぎてしまうと外耳炎が悪化します。
耳の中は蒸れやすく、細菌やカビが繁殖しやすい環境になってることや、マラセチアは皮脂を栄養分としているので、皮脂分泌が多い犬はマラセチアが増えやすいと言われています。
特にビーグルのような垂れ耳の犬は、耳の中が蒸れやすいため、梅雨時や暖かい時期は注意が必要です。
その他、
外耳炎の多くは犬アトピー性皮膚炎や食物アレルギーなどのアレルギー疾患、脂漏症などに伴って発生することが多いとされています。
アメリカン・コッカー・スパニエルやキャバリアなどの犬種は、細菌やマラセチアなどの感染を伴わず、皮脂腺の分泌が過剰になり過ぎることが原因で外耳炎になってしまうことが多いので、特に注意が必要です
子犬に多く見られるる外耳炎は、耳ダニという外耳道に寄生する寄生虫が原因となっていることが多いです。
耳ダニは繁殖力が強く、他の犬やネコにも感染することもあるので注意が必要です。
お散歩中に植物の種や砂・土が入ってしまった、耳毛が伸びているなど、耳の中の異物が原因となることもあります。
耳の中を清潔に保つことは外耳炎の予防につながります。
日常のお手入れの中で、耳に赤みがないか、嫌な臭いがしないかを確認しましょう。
綿棒でのお手入れは、耳の中を傷つけてしまう危険性もあるので絶対にしないようにしてくださいね。
耳のお手入れ用のイヤークリーナーを耳の中にぴゅーっと入れると、犬は頭をブンブン振ります。
すると汚れが出てくるので、柔らかいガーゼやカット綿などでササっと拭いてあげましょう。
毛の長い犬の場合は、梅雨から夏にかけては、耳周りの毛を短くカットして、風通しを良くしてあげましょう。